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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

ステラの本棚『時間(とき)の園丁』

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目の前のことに追われて見失いがちになっていた大切なものを、
静謐で清明な文章で語りかけてくれた本でした。
朝吹真理子さんが勧めていらして手にしました。

武満さんの音楽を私はほとんど聴いたことがないので、
ご紹介するのは憚られましたが、
生きることの本質に触れた文章が多くありましたので、
アップさせていただきますね。

武満さんが作曲をされるときにイメージされるのは、
多くが自然の情景。
特に「海」。
様々な流れが多様に交わり合ってできる広大な海は、
イメージの源であられたようです。
さらに絵画に例えれば、ご自分の音楽は余白を重んじる「日本画」に近いとも。

聴き手があって初めて完結する音楽。
音楽が生まれて享受されるには、
様々な環境要素、そして人の力ではどうにもならない何かがあると。

不思議なことに日本にいるときにしか作曲ができなかったと語られる武満さんの、
外界の自然への畏敬の念とともに、
武満さんの内部に育まれていた自然の美しさを感じることのできる文章です。

夏の疲れが出やすいこの時期のお心に
よろしかったらこの本を。

ステラの本棚に並べます。



『時間の園丁』→


















by uminokosyoten | 2019-08-15 10:03 | 本読み便り