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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『詩のすきなコウモリの話』

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はしれ!ショウガパンうさぎ』のランダル・ジャレルが綴った文章に
モーリス・センダックが挿画を。
森の静謐さと動物たちの営みが美しく調和して、
本自体が「詩」のような1冊です。

長田弘さんの「あとがき」によると、
センダックをして「もっとも非凡な作家」と言わしめたジャレルは、
森の中のハンモックに揺られながらこの文章を書き上げたとのこと。
相手に喜んでほしくて「詩」を綴る茶色のコウモリの存在は、
そのまま「作家」としてのジャレル自身なのだとも。


ジャレルとセンダックの間に生まれた深い信頼関係。
言葉を超えて繋がった作り手の心の交歓。
「あとがき」を読むほどに、
その幸せな出会いもまたこの本の大きな魅力であるのだと感じました。


「詩」とは、あるいは「文学」とは何なのか。
その課題に優しい言葉で答えを求めた物語。
よろしかったら大人のあなたも、ぜひ。




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『詩のすきなコウモリの話』→












by uminokosyoten | 2019-03-27 07:05 | 本読み便り