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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『辺境図書館』

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人が自分の心を持て余すのは、
およそ未知なることへの不安が原因のことが多いように思います。
それなのに、なぜ人は本や映画に不安を要素にした作品を
求めるのでしょう。


幻想文学。
不安に取り憑かれ、恐怖の体験をし、
それでも必死に自らを維持しようとする主人公たち。
周りから見れば奇妙とも思われるその人たちの言動を、
冷静に、さらには美しく描く。
これは大変知的でしかも憑依性の高い作業であると感じました。

そこに登場する歴史的、美学的、宗教的事象をかくも詳細に語ることのできる
皆川博子という人はまさに「知」の匣。

この本に紹介されている本のほとんどが未知なる世界であった私にとっては、
それらの本がずらりと並ぶ図書館はラビリンス。
恐ろしくて心震えるのに、本棚の前に立ってみたい欲望と対峙しなければならない、
とても危険な読書体験になりました。


さて、どの本の扉から開いて参りましょうか。




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『辺境図書館』→





by uminokosyoten | 2019-03-18 07:05 | 本読み便り