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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『バッハ カラー版作曲家の生涯』

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作曲家が眺めた風景や、愛した場所を知ることができたら、
もっと音楽に親しめるのではないかしら。
昨日立ち寄った書店で出会ったこちらのシリーズは、
その要求に応えてくれる編集でした。



バッハ先生のお名前は日本語で言えば「小川」さん。
ユーモア溢れる導入から始まって気軽に読めるにも関わらず、
貴重な資料と豊富な写真、そしてわかりやすい解説でとても充実した内容です。

当時の作曲家の仕事は、出会う教会の主義やオルガンの精度、
さらには楽団のレベルに大きく左右されたこと。
バッハは常に高みを目指して目まぐるしく働く場所を変えています。
良い条件の教会があれば、
オーディションにあたる演奏を披露して仕事を得る。
その繰り返しの中で、自分の音楽を極めてゆく生き方。

バッハの音楽がある時期「前衛的」であるととられたこと。
「古典」の代表として捉えていた楽曲が、
当時は新しいものであったという、ごく当たり前のことを
この本で初めて認識した私でした。

バッハは音楽家との親交にも熱心で、大変多くの音楽家に影響を与えたこと。
その多彩な顔ぶれにびっくり。

紹介される現代の音楽家たちのバッハへの憧憬。
誰もが「大海」のような音楽性の深さについて言及しながらも、
その「深さ」の謎が解けない。

読み出したら止まらない熱血漢バッハ先生の美しい音楽人生。
バロック音楽好きの方はぜひ。

文庫なので小さな贈り物にもお勧めします。





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『バッハ カラー版作曲家の生涯』→



昔音楽室に掲げられていたえらいバッハ先生が
とても愛すべき人に思われました。











by uminokosyoten | 2019-01-07 07:05 | 本読み便り