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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『佐野洋子 あっちのヨーコ こっちの洋子』

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制作姿勢や交友関係を通して綴られた佐野洋子さんの人生。

洋子さんは本当に「自分に嘘をつけない人」でいらしたのですね。
痛いほど、そのことが胸に迫りました。

それぞれのエピソードが強烈な印象を残して、
洋子さんは一つの「生」で「百万回」分生きられたのかもしれないと
思うほどでした。


自分の悲しみ、苦しみがよく涙になる方。
「泣く」という行為が一つの大切な吐露であったような。
人を深く愛して、それを隠すことをせず。
だからこそ相手に求めるものも大きくていらしたのでしょう。
お知り合いの方々の昔語りがとてもよく洋子さんを表していて、
作品に現れたものと重なりました。


印象的だった洋子さんの言葉は次のものです。

<私が死んでも、もやっている様な山はそのままむくむくと笑い続け、
こぶしも桜も咲き続けると思うと無念である。>
(『神も仏もありませぬ』より)



洋子さん、あなたがいらっしゃらなくなって、
多くの方々の心のこぶしも桜も、そして山々も色を変えてしまいました。
あなたご自身が花でいらしたのだと思います。
だからもう、楽になられてくださいね。
涙を流すことなく、どうか笑顔でいらしてください。



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『佐野洋子 あっちのヨーコ こっちの洋子』→











by uminokosyoten | 2018-11-24 07:05 | 本読み便り