海辺の本棚『フラジャイル・コンセプト』

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青木淳という建築家のこと。
私は何も知らないできました。
この本を読んで、
もっと早く出会っておきたかった人だと
心から思いました。

「fragile」。
英語の意味は「壊れやすい、もろい、虚弱な、かよわい、はかない」。
青木さんが唱えるフラジャイル・コンセプト。
それは日々更新される思考。

ある目的に向かって走り出しても、
途中で、「あ、こうじゃなかった」と気付いた時、
その進路を柔軟に変える思考。

より良いものがあると気付いた時、
既存の計画に妥協せず、
新たな計画を立て直すこと。

この考え方を建築の世界で貫いてきた仕事のあり方に
大きな驚きと共感を持ちました。

例えば、表参道のルイ・ヴィトンのビル建設に当たっての
「フラジャイル」な試みには、
その提言を可能にした技術者やデザイナーの存在も含めて
感銘を受けました。


<手綱を締めてその先の展開をしっかり牽引する強いコンセプトというものがある。
そこでは、コンセプトがいわば種子でその生育が表現だ。
コンセプトには、表現の隅々まで一意的に決めることができるまでに
包括的な種子であることが求められる。
表現には、そのコンセプトをミスなく隙なく、
現実に移しかえるだけの完璧な技量が求められる。
その一方で、先々不確定な揺らぎを引き起こすフラジャイルなコンセプトがある。
行きつく先が見通せず、辿りつき来し方を振り返って初めて、
その道筋が見えてくるつくり方がある。
社会はますます、前者の世界を求めるようになってきている。
おsの社会は、隙なく、窮屈で、息苦しい。
外から求められる約束事がある。
内から、つまり自分に嵌めたコンセプトというタガがある。
そこから逃れたい。
その行いがそもそも「つくる」ということではなかっただろうか、
とぼくは思うのである。>(P.12)



人生もまたフラジャイルなコンセプトで。
より良い人生への方向転換は
どうぞ迷うことなく。


『フラジャイル・コンセプト』→








by uminokosyoten | 2018-07-10 07:25 | 本読み便り