海辺の本棚『鳥肌が』

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とても怖い表紙が表す通り、
「不安」や「恐怖」をテーマに穂村弘さんが語り尽くしたエッセイ集です。

自らが認める「怖がり」の穂村さんは、
いろんなところで怖い文章や怖い体験、あるいは怖い話に出会います。
そして「鳥肌が」立つわけです。

でも読者はホッとするに違いありません。
私だけじゃなかったんだと。

どれだけ科学が進歩してもきっと「不安」や「恐怖」をゼロにすることは不可能。
もしそれをしようとすれば、人間性の大切な部分を除去しなければならないでしょう。


穂村さんのクリアな視点がどこか冷めたものを残していて、
テンポよく読めるエッセイです。


不安に心が押しつぶされそうになったら、ぜひ。
もちろん心が健康なあなたも、よろしかったら。



<苦しみとおそれは違う、と思う。
苦しみには実体があるがおそれにはない。
おそれは幻。
ならば、おそれる必要などないではないか。(中略)
これまでの自分の人生に本当の苦しみはなかったと思う。
ただ、幻に怯えていただけだ。
私の人生を四文字で表すならびくびくだ。
最後の日に叫びそうだ。
いったい何をびびってたんだ。
今まで何をやってたんだ。
どうせ死ぬのに。今日死ぬのに。なんなんだ。と。
おそろしい。
本書にはそんなびくびくをあれこれ書いてみた。>(P.247)



『鳥肌が』→








by uminokosyoten | 2018-05-23 07:00