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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』

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信頼できる鎌倉のカフェのオーナーから勧められた京都のカフェ「スターダスト」。
カナさんという素敵な女性が営んでいらして、
全てに満たされる場所だと。
それから時々HPにお邪魔していました。
確かに筋が1本きっちりと通っていて美しいカフェ&ギャラリー。

ある時、そのカナさんが本を書かれたというお知らせ。
それもデンマークのコペンハーゲンにある小さな自治区のお話と聞き、
図書館にリクエスト。
ようやく先日届きました。


読み始めたら止まらない。
それはこの世にあるとは思えない理想郷のお話だったからです。

もともと1970年代にヒッピーの人たちが住んだ街。
そこが色々な苦難を経て、やがて正式な自治区へ。
自動車の入れない、自然と人のゆったりとした営みの場所。


カナさんとデンマークの出会いは、
「原発」をデンマークが放棄したことへの共感から。
でもやがてクリスチャニアを知るほどに、
カナさんはデンマークの教育のもつ魅力に心を奪われて行きます。


「人は善」と言い切る教え。
そして自らを肯定して生きてゆく心を育てる教育。

第2次世界大戦中のユダヤの迫害の折にも
しっかりとユダヤの人たちを支え続けた市民の言葉。
「それは人として当たり前のことだから」。

すっかり忘れていたことでした。
人として当たり前のこと。

いろんなことがあって
懐疑的になっていた自分が見えてきました。

縛られないということは
強いということ。


国の未来は子どもたちの教育にあるとするデンマークの指針。
ああ、どこかの国の政治家の方たちにもお知らせしたい。
「人として当たり前のこと」を思い出してくださいと。
そして子供たちこそが国の宝物であるのだと。


心の物差しがググッと方向を変える本です。
カナさん、素敵な本を書いてくださってありがとう。




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『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』→










by uminokosyoten | 2018-05-04 07:00 | 本読み便り