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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

「慈雨、そして『未見坂』」


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玄関にて、26日午前8時。
雨。


ラナンキュラス、艶やかな色。




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寒さを避けるために
長い間キッチンで窮屈な思いをしていたウンベラータを庭へ。

雨、気持ちいいでしょう。



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葉がボソボソになってしまったあなたも
ようやく背伸びができますね。
新芽が出ているから
やがて元気になってくれるかしら。




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目黒のベランダで実生で育ったヤツデはますますツヤツヤ。




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こちらも目黒組のツルキキョウ。
新芽がどんどん伸びてくれて。
今年は地植えを考えています。

どれほど如雨露で水をあげても
雨のようにまんべんなくは行き渡りません。

慈雨。
やわらかな雨。
育みの雨。




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花屋さんで連れ帰りたい花に出会いました。
庭の準備を整えて迎えに行きましょう。




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日曜日のランチはコロコロシチュー。
新ジャガと手羽元を大胆に煮込んで。
コロコロ、コロコロ。
春の美味しい恵みは体への慈雨ですね。




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訪ねてくれる友人にシナモングラノラケーキを。
冷たい雨のなか、ありがとう。






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シナモンの香りには温かみを感じますね。








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しんと冷える夜には
堀江さんの言葉に命を与えられた人たちの温もりが恋しくなります。

皆それぞれになにかしら失った人たち。
その人たちの孤独とやさしさを
ゆるやかな雨音のように心に響かせる文章。
丹念な所作の描写が可能にした既視感。
まるで映画をみているような残像の重なり。
さらには「匂い」の描写の多様さが
読者を物語の中へ強く誘います。

9つの短編は細い絹糸のような余韻でつながり、
ふとしたところに思わぬ伏線が潜んで。
さらにはあの『雪沼とその周辺』からつながる糸も…。
まさに言葉の慈雨のような1冊だと思います。


『未見坂』→



今日もまた冷え込むようですね。
どうぞあたたかくしてお過ごしくださいませ。








by uminokosyoten | 2017-03-27 07:00 | 本読み便り