オススメ「星を賣る店」
2014年 08月 31日
春に世田谷美術館で行われたクラフト・エヴィング商會の展覧会の「棚おろし的展覧会公式図録」。
これまでの吉田篤弘・浩美夫妻の仕事の足跡です。
お二人が得意とする思考の知的遊戯もさることながら、仕事量の膨大なことに驚きました。
緻密で時間に追われるはずの「装丁」の仕事(1000点を越えるそうです)、小説執筆、さらにはオブジェ製作。
そのどれもに「完璧」を目指す意志が感じられるのに、どこかふっと力が抜けていて。
その間合いが、ファンに強く支持される秘訣でしょうか。
仕事の依頼者である作家たちとの交流も密で、トークに参加するたびにその理想的な関係もお二人のあたたかい人柄ゆえと感じます。
ラジオ番組という想定で行われるトークの際にはBGMもきっちりと用意されています。
参加者が楽しめるようにとの配慮が実に細やかです。
この本に収録されているデッサン帳を見て、お二人の日常が見えるような気がしました。
常に考え、手を動かして、おしゃべりをして、そのすべてが喜びを伴う創作に繋がる。
篤弘さんと浩美さんが出会われたことが、クラフト・エヴィング商會の最高のコレクションであることは間違いありません。
「星を賣る店」◆
あなたはどんな星をお求めでしょう。
by uminokosyoten
| 2014-08-31 07:06
| 本読み便り