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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

海辺の本棚『猫は、うれしかったことしか覚えていない』

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『猫は、うれしかったことしか覚えていない』。
この題名は獣医さんが著者に語った言葉。
その時は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の意味で言われたのだけれど、
でも、それだけではなくてと、
著者は色々な猫との愛おしい記憶を綴って行きます。

ミロマチコさんの絵が微笑みと懐かしさを呼んで。

そうだったな、
こうだったな。
自分の記憶を反芻しながら読ませていただきました。

3.11のあと息子たちと犬は郷里に避難させました。
本当は猫も連れていってもらうべきだったのかもしれないけれど、
「ヴィオラだけは」とそばに居てもらいました。

日々の余震の中で猫の不思議なテレパシーは一段と威力を増し、
やがては、私よりもずっと落ち着いた頼もしい存在になったヴィオラ。

あの時の澄んだ眼差しは、
あれはいったい何だったのかしら。
達観したような透き通った眼差しは。


原発事故を巡る不確かな情報に右往左往してパソコンにかじりついた私に、
穏やかな空気を送り続けてくれた「猫」という存在に
改めて思いを馳せました。




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『猫は、うれしかったことしか覚えていない』→




余震、おさまりますようにと心からお祈り申し上げます。







by uminokosyoten | 2018-06-20 06:48 | 本読み便り