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海の古書店

本のこと、心に浮かんだことを綴ります。香りのお店「Atmosfera」:http://atmosfera-kamakura.com/ お問い合わせ: books@good.memail.jp


by uminokosyoten

東京心景「言の葉」

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池袋、21日午後9時。
雨。


眠らない街へ久しぶりに。
ネオンが眩しい夜。


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壁紙が素敵!


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旅がしたいな。



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汽車の旅もいいわね。



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しろくまさんの動きがかわいい。



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西武デパートのクリスマスキャンペーンは
ナタリー・レテの絵がベースに!
なんてかわいい。


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昨夜は池袋のジュンク堂でおこなわれた堀江敏幸さんのトークに参加しました。
テーマは先に堀江さんが現代語訳された『土左日記』について。
(原本は「土佐」ではなくて「土左」なのだそうです)
堀江さんがこだわられたことのひとつに
高校時代から疑問だった「仮名表記」があられたとのこと。
底本には平仮名で書かれている言葉を
便宜上漢字に置き変えることへの違和感。
紀貫之が「土左日記」で極めようとしたのは
まさに「仮名」で綴られる言の葉へのこだわりだったのではないかと。
仮名でつづられる和歌の台頭の兆しと大和ことばの真の芽生えを予感する、
そんな時代だったのではないかと。

堀江さんご自身が文章を綴られる際にも
活字として配列されたときの美しさに留意していらっしゃることも伺っています。
文字の力は単に意味を伝えるだけでなく、見たときの全体の美しさにも及んでいる。

手紙がメールになって、手書きの文字をやりとりすることの少なくなった現代。
書かれた文字が内包する書き手の個性の喪失もまた危惧されるとおっしゃっていました。
早稲田で教えておられる学生さんたちは、メールでのやりとりに慣れてしまい、
年賀状などをもらって初めて見る友人の手書きの文字に不安さえ抱かれるのだそうです。
ほんとうにその人が綴ったのかどうかと。
不思議な時代になったのですね。

そのお話を聞きながら、
「書き文字」にとことんこだわって書かれた小川糸さんの「ツバキ文具店」のことを
思い出していました。

文学。
それは文字による意思の表現。
言の葉に込められた魂の表出。

その文字に個性がなくなってしまうことの意味を
「平仮名」表記にこだわって「土左日記」を綴ろうとした貫之の姿勢に
教えられたような気がいたしました。



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帰路池袋駅で、
堀江さんが実際に綴られた文字から先人たちの個性を感じ取るよい機会として
勧められていた出光美術館の展覧会のポスターに出会いました。

「時代を映す仮名のかたち」→
ぜひお出かけくださいませ。

五島美術館でも「平安古筆の名品展」が開催中だそうです。







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Brezza Marina














by uminokosyoten | 2016-11-22 07:00 | 東京とその周辺のこと